2009年02月28日

宣伝 映画『ブリュレ』

ブリュレ.jpg

珍しいんですけど、ちょっとマイナーな映画の宣伝。
宣伝と言っても、僕はこの映画をまだ観てない。
僕は、この映画の脚本・監督をつとめた林田健太と知り合いなのだ。
正確に言うと、知り合いだった。

去年の11月に林田君は亡くなった。
東京で、10月に、この映画『ブリュレ』による劇場デビューを果たし、その直後、事務所で急死した。
32歳だった。

彼は東京でシナリオライターの修行をしながら、自主制作で映画を撮り続けていた。
何年か前は、僕が東京公演があるときは家に泊めてもらったりしていた。
彼の部屋は、本で埋め尽くされていて、いつも自分が監督する映画のことで忙しそうにしていた。
忙しそうにしながらも、僕を近所の銭湯に連れて行ってくれたりした。
彼の部屋は、しなびたカラオケボックスのビルの最上階にあり、住居というより事務所のような不思議な部屋で、本や映像機器は山のようにあったが、風呂はなかった。

彼に借りたままの本が、返さぬまま僕の部屋にある。
次会う時にでも「あれ、気に入ったから、もう頂戴」「ええ?だめですよー」なんていうやり取りをしようなんて思っていた。
近頃、知り合いが若くして死ぬという体験を二度味わった。
正直に言って、彼らの死を僕は心の中で全く処理できない。
悲しみに打ちひしがれるというわけでもない。
それほどの間柄だったわけでもなかった。
ただ、生きていれば、時折会って話をしただろうと思う。
僕には信心というものが希薄で、宗教的な心もちもよくわからない。
でも、こういう悲しみも苦しみもあいまいな友人の死にこそ、宗教心というものが僕に切実なものとして入り込んでくるような気がしてる。
この映画観たら、感想を話したくなるだろうな。
天国か何かに向けて、心の中で話すような気がする。

彼に会ったのは、彼がまだ10代で大阪で演劇をしていた頃。いや、演劇をしていたというより、知り合いに無理矢理舞台に駆り出された感じだった。
彼は自主映画を精力的に撮っていた。
『東京フリーマーケット』という自主映画で注目を集めたらしい。
それが認められて、森ノ宮のプラネット映画祭の制作で『サマージャンボ』という映画を撮った。
その映画に僕を主役で出してくれた。
もう10年も前のことだ。
その映画の方は、ほとんど評価を得てないと思う。主役の僕にさえ、よくは理解できなかった。僕のせいかもしれない。
なんだかふわふわと地に足のつかないようなセリフとストーリーに僕はいら立って、脚本について結構議論したのを覚えている。

何年か後、東京で会うと、『ブリュレ』という映画を制作中だと言う。
ストーリーやロケ選びなんかを聞くと、またもやなんだかふわふわとした感じ。
「よくわからん。ファンタジーならもっとガーンとファンタジーにしたら?中途半端な感じがするよ」と僕が言うと、
「僕はね、地面から3ミリだけ浮いてるようなそんな映画が撮りたいんですよ」と、彼は言った。
そうだったのか。やっと僕は合点がいった。
彼が選ぶ素材、想像はいつもなんだかリアリティにかけると僕は感じていた。違うのだった。彼のリアリズムはそこにはなかったのだ。
僕はもっとリアリティにこだわれよと思っていたが、彼のリアリティはそんなところにはなかったのだ。
下ネタやくだらない冗談ばかり言ってる普段の彼に惑わされて、わからなかったが、彼がそれまで言ってたことと、映したい世界が、僕の中でやっとつながった。
ただし、僕がそれまで(10年前)観た作品はまだまだ稚拙で、それが表現できてなかったと思う。そして、やりたいことは何となくわかったが、そんなことが可能なのかなあと思っていた。

今回『ブリュレ』の予告編を観て、目を見張った。
セリフ、演出、カメラ・・・すべてにおいてあの頃と格段にレベルが違う。難しいことはわからないが、もう子供と大人ほど違う。
まあ、当然のことかもしれないが。
まあ、僕が言うのもおこがましいが。
彼はこの映画で、やっと自分の表現を形にできたのかもしれない。
彼がいつも言ってた世界を、やっと僕は感じることができるかもしれない。

下の公式サイトを見て、興味わいた方は、是非観に行ってやってください。

http://www.brulee-movie.com/

『ブリュレ』
十三・第七藝術劇場にて
2月28日〜3月6日 20:40〜22:00
3月7日〜3月13日 19:30〜20:45
〈3月3日の上映後は僕(上田)もアフタートークで舞台に出ます)

posted by うえだいっけん at 10:27| 大阪 ☀| 日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月09日

宣伝 真夏の會「エダニク」 

テレビをつけたら、お料理番組がやってた。
今日の料理は「ほうれん草のスパニッシュオムレツ」
お料理の先生が、お料理を実演しながら、説明してくれる。
「茹でたほうれん草を水にさらし、適度に水を切ります」とか。ほうれん草を絞って水を切らないと、オムレツが水っぽくなってしまうそうだ。といって、切りすぎてもいけないらしい。
フライパン上での具材のかきまぜ方、火加減、時間、すべてにちょっとしたコツがあり、説明がつく。
なるほど。

僕は今、「真夏の會」という役者のユニットの依頼で、「エダニク」という公演の演出をやってる。
テレビを見ながら、演出というのは料理みたいなものかなあと考えていた。
演出家というのは料理人みたいなものだと思った。

今夜の食材は次の通り。

natu.JPG

夏。
登場人物の造形が妙にうまくて表現力のある役者。

ogata.JPG

緒方晋。
舞台に立つだけでざらついた存在感がでて、真実感のある役者。

hara.JPG

原真。
緻密な演技技術と、自分をさらけ出す勇気を併せ持つ役者。

yokoyama.JPG

そして、軽妙な文体で屈折した世界を描く若き手練れ、売込隊ビームの横山拓也の脚本。

これで、うまくない料理を作ったとしたら、どう考えても僕のせいだ。
依頼を受けた時はえらいこっちゃと思ったものだ。
でも、これだけの具材がそろっていたら、それを生かせばいいだけのことだ。

にしても、この写真たちは、なんだ。
任侠団体のお話ではありません。
とある職場で繰り広げられる切実で滑稽な人間模様。
まだやってますので、ぜひ。

http://manatsu.xxxxxxxx.jp/

posted by うえだいっけん at 13:37| 大阪 | 公演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年02月04日

真夏の會「エダニク」

僕が演出する「真夏の會」のお芝居、もうすぐ始ります。
ストレートでおもしろい3人芝居。
ぜひどうぞ。

top_title2.jpg

真夏の會「エダニク」

日時
2009年
2月 8日(日) 16:00 19:00
2月 9日(月) 19:30
2月10日(火) 19:30
2月11日(水・祝) 15:00 19:00

開場は開演の30分前、受付開始は開演の40分前。

会場
トリイホール
大阪市中央区千日前1-7-11上方ビル4F
TEL06-6211-2506

料金
2,500円(前売・当日共に)

脚本
横山拓也(売込隊ビーム)

演出
上田一軒(スクエア)

出演

原真(水の会)
緒方晋(The Stone Age)

http://manatsu.xxxxxxxx.jp/

posted by うえだいっけん at 16:18| 大阪 ☁| 公演 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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